『メインキースイッチ』は、その名のとおり車輌の作動の中心となる、重要なスイッチです。
接点の酸化による通電不良や、シリンダーの汚れによる作動不良は、電装系のトラブルに直結します。
そこで、ACC電源の接触不良の症状が出た、モンキーのメインキースイッチを例にとってオーバーホールのポイントを紹介したいと思います。

通常ですと、メインキースイッチの不良は『ASSY交換で済ませる』というのが一般的ですが、旧型の車輌の場合、すでにパーツが製造中止になっていることも多く、その場合、分解修理ができないと、当時のオリジナルを保つことが難しくなってしまいます。

ではまず、キースイッチを車体から取り外し、ハウジングやシリンダーを破損しないように、丁寧に分解します。
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シリンダーの汚れや接点の焼けが激しいです。


プレート側の接点です。これでは、うまく通電しません。
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ローター側の接点に当たる部分の焼き付きが特にひどいです。


細目のコンパウンドを使用して傷をつけないように接点を研磨します。
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上側3つの接点が研磨前、下側2つの接点が研磨後。画像のように、銅の輝きが復活する程度の処理をします。


こちらはローター側の接点
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上側が研磨後、下側が研磨前です。


シリンダーもご覧のとおり。
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汚れたグリースとゴミが固まって動きが渋くなっています。


シリンダーディスクは、分解して1枚ずつきれいに磨きます。
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ディスクスプリングの紛失や、ディスクの配列順序の間違いに十分注意しましょう。


キーやディスクの磨耗により、ディスクの飛び出し幅にバラつきがある場合、ヤスリで研磨して、クリアランス調整します。
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画像のように、キーを挿した状態で、シリンダーとディスクが面一になるように微調整します。


各接点の研磨、ハウジングやシリンダーの清掃を終了した状態。
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この後、仮組みをしてシリンダーやローターの作動常態の確認をします。


作動確認が済んだら、接点グリース等を塗布して本組み。
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使用するのは、和光ケミカルの『接点復活剤』


シリンダーやローターにはグリースを塗布して組み立てます。
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完成。
約1時間ほどの作業です。


今回紹介した、ディスクシリンダータイプのメインキースイッチは、比較的構造が簡単ですが、DAXやJ型以前のモンキーなどは、ピンシリンダータイプのメインキースイッチを採用しており、構造が多少複雑です。初心者の方は、こちらのタイプのキースイッチをマスターしてから旧型車輌に挑戦したほうが良いかもしれません。